FreeBSD, Debian, Ubuntu について日本語TeX環境(ptex)パッケージの状況を整理しておくメモ。自分で適当に調べたものなので、事実誤認や調べ不足があったらごめんなさい。
予備知識は
TeXディストリビューションあたりを見ていただくとして。
- FreeBSD ports:
- ptex(japanese/ptex)を入れておけばOK。teTeX(print/teTeX-base)に依存。
tgifなどlocaleにja_JP.eucJPを要求するものがあるので locale も ja_JP.eucJP でいい気がする?
FreeBSDのドキュメントプロジェクト用メタポート (textproj/docproj) で jadetex (print/jadetex) を用いる場合、これも teTeXを参照する。jadatexにも日本語対応版 (japanese/jadetex-ptex)がある。
とにかく TeX関係の ports が teTeX ベースになっているため、(p)texlive を手で入れると、portsからTeXまわりに依存しているものを入れようとしたとき不都合が起こる場合がある。
(例:http://d.hatena.ne.jp/isano/20080404/1207240012)
teTeX→texlive関係の議論はportsのMLで話し合われているようだ。
http://groups.google.com/group/mailing.freebsd.ports/browse_thread/thread/5f8d90bcfc0f3822/
ports 側が texlive の移行に踏み切らないと、ptexliveの動作検証は進めづらいのかもしれない。
- Debian stable(etch):
- Debian系列はtetexからtexliveに移行している。etchは古いためtetexが残っているようだ。
ptex-base は tetex-base か texlive-base のどちらかに依存しているが、とりあえずptex-baseを入れて、あとは任せてしまうのがいい、かも?
http://packages.debian.org/ja/etch/tex/ptex-base
localeがja_JP.UTF-8で、ptexがtexliveに依存していても、texファイルの文字コードはptex(platex)を使う限り EUC などが期待される?
参考:http://d.hatena.ne.jp/n314/20080419/1208582479
- Debian testing(lenny):
- ptex-baseが基本であることに変わりははない。tetex-baseがtransitionalになっており、事実上 texlive-base への移行を完了しているようだ。
- Ubuntu 8.04 LTS(hardy):
- Debian testing(2008/5)と同じく ptex-base が基本。こちらもtexlive-baseに依存している。
日本語での作業環境を整えるため、メタパッケージの開発が進んでいる模様。
ptexメインで使うことを想定している限りtexファイルの文字コードはlocaleに関わらずEUCなどで安定ということか。(-kanji=euc|jis|sjis を使うってことで)
texファイルもUTF-8で書きたいという場合、処理方法が2種類あるようです。
- ptexlive/ptetex3を使う。
- UTF-8で書いたtexファイルをEUC?などに変換して処理するタイプ。日本語 ASCII pTeX をベースに tetex/texlive の一部としてptexを使うのが目標。日本語特化と見なして差し支えなし? ディストロに対するパッケージ化の進捗はあまりよろしくない、ようなので難易度は高め。動作報告を募集中みたいですよ。
本家:http://tutimura.ath.cx/ptexlive/
Debianパッケージ:http://www1.pm.tokushima-u.ac.jp/~kohda/tex/ptexlive.html
- xetexなどを使う。
- UTF-8の多言語文章として処理することになる。使ったことがないので分からないが、このような処理系があるようだ。 xetex自体はMacOS X用に開発されたそうだが、texlive-xetexという名前でDebian/Ubuntuにパッケージがある。texソースとしてUTF-8文章が混在するときには候補にしてもいいのかも。ただ日本語処理部分がまだ弱い? dvi関係の周辺ツールの対応状況は確認する必要あり?(ptex環境で使っていたものとは違う?)
余談:TeXの周辺アプリケーションを一括導入するパッケージの話と、TeXの処理系の話がごっちゃになっていて分かりづらい。これをすっきり理解することが『TeX利用のレディネス』のひとつなのか。敷居が高いよなあ……
おまけ:いずれはまること間違いなしの PDF絡みの話。あと学会関連のスタイルファイル。